この記事のポイント
- 長期投資(HODL)は時間的コストが低く、初心者に向いている戦略
- 短期トレードは個人トレーダーの80〜90%が損失を出しており、上級者向け
- ドルコスト平均法(DCA)は投資タイミングを計る必要がなく、初心者に最もおすすめ
- ポートフォリオはBTC 50〜60%、ETH 20〜30%、アルトコイン10〜20%が一般的な配分
- 暗号通貨への配分は総資産の5〜10%以内に抑えるのが推奨される
暗号通貨投資の2つのアプローチ
暗号通貨の投資戦略は大きく分けて「長期投資(HODL)」と「短期トレード」の2つがあります。長期投資は数ヶ月から数年にわたって暗号通貨を保有し続ける戦略で、暗号通貨コミュニティではHODL(Hold On for Dear Life)と呼ばれています。一方、短期トレードはデイトレードやスイングトレードなど、数分から数週間の期間で売買を繰り返す戦略です。
どちらの戦略にもメリットとデメリットがあり、絶対的に優れた方法というものは存在しません。自分の投資目的、使える時間、リスク許容度、精神的な特性を考慮して、自分に合った戦略を選ぶことが重要です。この記事では両方の戦略を詳しく比較し、あなたに最適な投資スタイルを見つけるお手伝いをします。
HODLは「Hold On for Dear Life(必死に持ち続ける)」の略語で、2013年にビットコインフォーラムで「HOLD」のタイプミスから生まれたインターネットスラングが由来です。
長期投資(HODL)のメリットとデメリット
長期投資の最大のメリットは、日々の価格変動に一喜一憂する必要がないことです。暗号通貨市場は1日で10〜20%の変動が起こることも珍しくありませんが、長期的な視点に立てばこうした短期的な変動は「ノイズ」に過ぎません。ビットコインは過去10年間で何度も大暴落を経験しましたが、長期的には大幅に価値を上げてきました。
また、長期投資は時間的なコストが低いのも大きな利点です。頻繁にチャートを確認したり、売買のタイミングを計ったりする必要がないため、仕事や私生活を犠牲にすることなく投資を続けられます。取引回数が少ないため手数料の負担も小さく、税金の計算もシンプルです。
一方、デメリットとしては、暴落時にも保有し続ける精神力が必要なことです。2022年の暴落ではビットコインが最高値から70%以上下落し、多くの長期投資家が損失を抱えました。また、投資先のプロジェクトが失敗した場合、長期保有していた資産の価値がゼロに近づくリスクもあります。長期投資であっても、信頼性の高いプロジェクトを選ぶことが重要です。
長期投資でもプロジェクト選びは重要です。過去にはTerraLUNAやFTTトークンのように、一時は上位にランクインしながら価値がほぼゼロになった例もあります。時価総額や開発活動、実用性を総合的に判断しましょう。
短期トレードのメリットとデメリット
短期トレードの魅力は、上昇相場でも下落相場でも利益を狙えることです。暗号通貨市場のボラティリティ(価格変動の大きさ)は伝統的な金融市場よりもはるかに高く、短期的な値動きから利益を得る機会が豊富にあります。レバレッジ取引を活用すれば、少ない資金でも大きなリターンを狙うことが可能です。
しかし、短期トレードのデメリットは非常に大きいです。統計的に、個人トレーダーの80〜90%は長期的に見ると損失を出しているとされています。チャート分析やテクニカル指標の知識、市場心理の理解、そして感情をコントロールする精神力が求められ、習得には長い時間と経験が必要です。
さらに、短期トレードは時間的な拘束が大きく、精神的なストレスも相当なものです。24時間365日動き続ける暗号通貨市場では、就寝中に大きな値動きが起こることもあります。頻繁な取引は手数料の負担を増やし、税金の計算も複雑になります。レバレッジ取引では、想定以上の損失を被るリスクもあります。
個人トレーダーの80〜90%は長期的に損失を出しています。レバレッジ取引はリターンだけでなく損失も倍増させるため、初心者は絶対にレバレッジ取引から始めないでください。
ドルコスト平均法(DCA)という第三の選択肢
長期投資と短期トレードの中間的な戦略として、ドルコスト平均法(DCA:Dollar-Cost Averaging)があります。これは一定の金額を定期的に(たとえば毎月、毎週)購入し続ける方法です。価格が高い時には少量を、安い時には多量を自動的に購入することになり、取得単価が平均化されます。
DCAの最大の利点は、投資タイミングを計る必要がないことです。「いつ買えばいいのか」という初心者が最も悩む問題を解消してくれます。また、感情に左右されずに機械的に投資を続けられるため、暴落時のパニック売りや高値づかみを避けることができます。多くの研究で、DCAは一括投資と比較して遜色のないパフォーマンスを示すことが確認されています。
DCAを実践するには、国内取引所の積立サービスを利用するのが最も簡単です。多くの取引所では月々1,000円程度から自動積立を設定でき、一度設定すれば自動的に購入が行われます。初心者の方にはまずビットコインやイーサリアムなどの主要通貨でDCAを始めることを強くおすすめします。
- 1国内取引所で口座を開設し、本人確認を完了する
- 2積立サービスのページから積立頻度(毎月・毎週・毎日)を選択する
- 3積立金額を設定する(月1,000円〜でOK)
- 4積立対象の暗号通貨を選ぶ(まずはBTCやETHが安心)
- 5設定完了後は自動的に購入されるので、最低1年間は継続する
DCAを始めるなら、まずは月5,000円程度のビットコイン積立がおすすめです。国内取引所の自動積立機能を使えば、一度設定するだけで毎月自動的に購入されます。
ポートフォリオの考え方
どの投資戦略を選ぶにせよ、ポートフォリオ(資産配分)の考え方は重要です。暗号通貨投資では、1つの通貨に資金を集中させるのではなく、複数の通貨に分散投資することでリスクを軽減できます。ただし、過度な分散は管理が困難になるため、5〜10銘柄程度に絞ることをおすすめします。
一般的なポートフォリオの例として、資金の50〜60%をビットコイン、20〜30%をイーサリアム、残りの10〜20%をその他の有望なアルトコインに配分する方法があります。ビットコインとイーサリアムは時価総額が大きく流動性が高いため、ポートフォリオの安定性を高める役割を果たします。アルトコインはリスクが高い一方、大きなリターンを狙える可能性があります。
暗号通貨は全体の投資ポートフォリオの一部として位置づけるべきです。多くの金融アドバイザーは、暗号通貨への配分を総資産の5〜10%以内に抑えることを推奨しています。残りの資産は株式、債券、不動産、現金などに分散し、暗号通貨市場の暴落が全体の資産に与える影響を限定することが大切です。
- ビットコイン(BTC):50〜60% - 最も安定した暗号通貨、ポートフォリオの土台
- イーサリアム(ETH):20〜30% - DeFi・NFTの基盤、成長性が期待される
- アルトコイン:10〜20% - 高リスク・高リターン枠(5銘柄以内に分散)
暗号通貨への配分は総資産の5〜10%以内に抑えるのが一般的な推奨です。暗号通貨が暴落しても生活に影響が出ない範囲で投資しましょう。
初心者へのアドバイス:自分に合った戦略を見つけよう
初心者の方には、まず少額のDCA(積立投資)から始めることを強くおすすめします。毎月5,000〜10,000円程度の積立であれば、大きなリスクを取ることなく暗号通貨投資の経験を積むことができます。最低でも1年間は積立を続け、市場の上昇と下落の両方を経験してから、自分に合った戦略を見極めましょう。
短期トレードに興味がある場合も、いきなり実資金で始めるのは危険です。まずはデモトレード(仮想取引)で練習し、自分なりのルールを確立してから実際の取引に移行しましょう。実際に始める場合も、失っても生活に影響のない少額から始め、経験と実績を積んでから徐々に投資額を増やしていくことが重要です。
最後に、暗号通貨投資は自己責任の世界です。SNSやYouTubeで「必ず儲かる」と謳う情報には十分注意してください。投資判断は必ず自分自身で行い、信頼できる情報源から学び続ける姿勢を持ちましょう。焦らず、学びながら、長期的な視点で暗号通貨投資に取り組むことが、成功への最も確実な道です。
SNSやYouTubeの「必ず儲かる」「次の100倍コイン」といった情報は詐欺の可能性が高いです。投資判断は必ず自分自身の調査に基づいて行い、他人任せにしないようにしましょう。